novelist-kentoの小説活動

仕事のかたわら、主に社会派SFの長編や日常ものの短編小説を書いているアラフォーの男です(^_^) このブログでは、自身の書いた小説だけでなく印象的だった作品のご紹介と、読者様、または実際に執筆をされておられる方が楽しめる・タメになる記事を発信できたらと思っています_(._.)_

二冊目の反響

約半年前に出版した拙著『フィンブルの冬』に、読者の方から好意的な意見が多数寄せられました。

一部を紹介いたします。

 

 

「若者二人が未知の国で悪戦苦闘しながら自分の居場所を見い出す姿が清々しい」

 

「数百年前実際に起こった小氷期(寒冷化)や、舞台を北欧のある島の田舎村にしたところがユニークだった」

 

「何が起きても必ず先には〝希望と救世〟あり、と安心できるストーリー展開に「大丈夫‼」と救われます。アニメにしたら面白いだろうな」

 

「エンタテインメント小説としてページが止まらない中に織り込まれた、噛みしめる社会派な内容が印象的でした」

 

 

冒険小説としてハラハラ、ワクワクを楽しめるだけでなく、生きることへの希望を感じてもらいたいと思って書き上げた作品です。

社会人になってうつ病を発症して絶望していた私自身が、回復する過程で得た気付きを元に、人間の素晴らしさや生きる喜びを伝えられたらと思いました。

また、昨今の深刻な気候変動を肌で感じる中で、それらの問題と向き合う気持ちや、自然への畏敬の念も感じてもらえるのではないかと思います。

 

気になった方はぜひご一読頂けたら嬉しいです。

電子版や書籍版をAmazon楽天ブックスにて販売中です↓

 

 

Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/4434324179

 

楽天ブックス

https://books.rakuten.co.jp/rb/17537399

 

 

コミックシーモアBOOK☆WALKERなど、複数の他サイトにて電子版を販売しています↓

 

コミックシーモア

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BOOK☆WALKER

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【著者プロフィール:宮田 賢人(みやた けんと)】

1985年広島市生まれ。 若者を主人公にした、環境問題や平和など社会問題に踏み込んだ小説を主に手がける。

他の著書に、平和都市である地元広島を題材にした『碧き聖断』(アメージング出版)が ある。

二冊目を出版いたします

前回の記事「二作目の出版の準備が整ってまいりました」(2023-06-20)でお知らせした小説が、8月2日に発売となりました。

 

『フィンブルの冬』というタイトルで、大自然を舞台にしたSF冒険物語です。

現代に生きる若者二人が見知らぬ奇妙な世界に迷い込み、大自然を冒険したり、そこに住む村人たちと心を通わせながら成長する物語です。

ハラハラドキドキする面白さだけでなく、前回と同様に社会派の要素も入っています。

読み終わった後、前向きで爽やかな気持ちになれるのではないかと思います。

 

タイトル:フィンブルの冬

著者名:宮田賢人

発売日:8月2日(予約受付中)

定価:1650円(税込み)

販売形態:Amazon等の販売サイト、全国の書店流通

 

【内容紹介】

二人が迷い込んだ謎に満ちた世界には、驚きの事実とかけがえのない人々との出会いが待っていた

~生きるとは、幸せとは何かを問う、大自然を舞台にしたSF冒険物語~

 

大学生の和輝と瑠璃香はニュージーランドへ向かっていたが、突如乱気流に巻き込まれ見知らぬ地に不時着する。そこは、荒寥とした大地と山々が広がる凍える世界だった。助けを求めて山を下った二人は、奇妙な家に住む不愛想な老人と出会う。二人はその老人から驚くべき事実を告げられる。

文明から取り残されたその村を救うため、二人は残されていた謎の言葉を頼りに、緑の森に包まれた神秘の巨大塚を探す旅に出る。やがてその塚の存在は、村を越えて世界の未来を左右する問題へ発展していく。

 

二人は村を、世界を救うことができるのか? そして、どこで誰と生きていくのか?

 

Amazonの予約販売ページはこちらです↓

https://www.amazon.co.jp/dp/4434324179

 

 

 

二作目の出版の準備が整ってまいりました。

大変、ご無沙汰しておりました。二年三ヵ月ぶりの投稿となります。

 

二作目の出版の準備が整ってまいりました。

 

前作『碧き聖断』を出版して頂いたアメージング出版様と、昨年末に私の二作目の小説を出す契約を交わしておりました。
半年に渡って、原稿の推敲と表紙デザインの作成を先方と密に意見交換をしながら行い、ようやく先日完成形に至りました。原稿と表紙デザイン共に完成度の高いものに仕上がったかなと思います。
今回はありがたいことに、前回のPODでのネット販売ではなく、並製本で全国書店に流通させて頂くことになりました。もちろんAmazon楽天でのネット販売も行います。

 

小説の内容については、前回の記事で少し触れましたが、改めて紹介します↓
今回は、異世界に放り出された東京の大学生の男女二人(和輝と瑠璃香)が主人公です。そこは極寒の島の山奥にある村で、二人は自分たちの境遇に戸惑いながらも、村を危機から救うため、翡翠色に輝く伝説の塚を目指して旅へ出ます。次々と迫り来る大自然の試練を乗り越え、村の長老や青年といった、かけがえのない人たちとのつながりを通じて、新たな発見や感動、成長をする二人を描いています。また、単なる冒険に終わらない前作のような社会派の要素(今回は自然がテーマ)も楽しめる作品になっています。
二人が迷い込んだのは、どんな世界なのか? そこでどんな謎や出会いがあるのか? そして、二人はどこへ行くのか? 
ぜひ楽しみにして頂けたらと思います。

 

販売開始し次第、案内ページを作成いたしますので、 少しでも興味を持って頂いた方にはぜひ手に取って頂けたらと思います。現時点の書籍情報です↓
【書籍情報】
タイトル:フィンブルの冬
著者名:宮田賢人
仕様:単行本
ページ数:360ページ
定価:1500円(税抜き)
流通・販路:全国の書店、ネット販売、電子書籍
発売日:7月末(予定)

ご無沙汰しておりました(つい先日、賞への応募を無事終えました)

 ご無沙汰しておりました。前回の投稿がほぼ一年前(2020年3月5日)になるので、一年ぶりということになります。


 三回前の投稿記事『現在の執筆活動』(2019年11月9日投稿)で少し紹介しました処女作『フィンブルの冬』を大幅改稿し、先日無事に出版社へ応募原稿の郵送・到着が確認できました。応募したのは早川書房が一年に一回開催している『第9回ハヤカワSFコンテスト』という広義のSFを募集している賞でした↓
 https://www.hayakawa-online.co.jp/new/2020-09-10-160151.html
 2年近くに渡り推敲を重ね、原稿用紙700枚を超える大作となりました。執筆に捧げられる力を全て出し切れたので結果はどうであれ後悔はないです。
一次選考の結果が6月末にあるのでそれに期待しつつ少し息抜きをしてまた執筆活動を再開できればと思っています。

 応募条件に抵触しないようほんの導入部分のみご紹介します↓

 

 二〇二五年九月、東京の大学生の男女がニュージーランドに居る親戚に会いに小型自家用機で空を飛んでいる途中、突然目の前に積乱雲が現れコントロールを失った。
 何とか不時着したフロントガラスから見える景色は、先ほどまで飛んでいた南太平洋上の島とは思えないほど荒寥とした山中だった。一体ここはどこなのか……?
自家用機を降りた二人は冷たい空気が肌を突き刺す中、助けを求めて山を下っていく。この地で、想像を絶する苦難と喜び、自然の脅威と神秘に遭遇することも知らず――。
  

                                     以上

 

 執筆を始めて6年経ちましたが、これまで自身で執筆するだけでなく、小説教室に通ったり、同じ志を持ったサークルの仲間同士で合評し合ったり、プロの作家の方にも作品を読んで頂き指摘を頂いてきました。その中で、今後は自分なりに「面白い小説とは何か?」といったノウハウ的なことや「小説を書いて良かった」と思えたことを実際に執筆されている方や小説を読むのが好きな方に向けて投稿していけたらと思っております。 

 では、今後もどうぞよろしくお願いいたします。

次のページをめくってくれる喜び

 先日、小説仲間である30代の女性から昨年2019年7月に発売した『碧き聖断』について「普段読まないジャンルだけどどんどん読み進んだ。面白かった」との感想を頂きました。

 この方は普段、純文学をよく読んだりご自身も書かれているせいか、こういったSF・時代物の小説が新鮮だったのかなと思いました。家族や恋人など人間関係に焦点を当てた繊細な文章を書かれる方だけに、そういった方から前向きな感想を頂き、さらなるモチベーションになりました。

 Amazonでも個人電子出版ですが、恋愛の短編も書いたことがあり、そちらも読んでくださっていたみたいで、「今後どちらのジャンルがやりたいのか?」というご質問には、「どちらかというとタイムスリップとかをするSFの物語を書いていきたい」とお答えしておきました(^_^)
 僕自身も、重松清さんや森浩美さんといった、奥ゆかしい、ほんわかした日常系の小説も好きなので、そういったジャンルにも今後トライ出来たらなと思っております☆

 

 私の小説『碧き聖断』、Amazon楽天にて好評発売中↓

 

Amazon

https://www.amazon.co.jp/『碧き聖断』%EF%BD%9E必ず原爆投下を防いで未来を変える…誠太は八十年前へ旅立った%EF%BD%9E-宮田賢人/dp/4909570659

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楽天

books.rakuten.co.jp

受賞する作品とは?(SFの場合)

 ご無沙汰しておりました。

 昨年11月9日に処女作をリメイクしているとの投稿をして以来、その執筆の方に気を取られしばらく更新できずにいました。ひとまず最初からオチまで書き上げ一息ついたのと、その間に「面白い小説ってなんだろう?」と漠然と色々と考えていたこともあって、更新しようと決意。

 今回は過去に受賞した作品(SFの場合)について、受賞するに当たってどういった点が評価されたのか、浅いながらも自分なりに考えてみました。作品は第2回(2014年)ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作でもある柴田勝家氏の『ニルヤの島』について考察してみました。これ以降、ネタバレしない程度にその内容に触れていきたいと思います。

 

 『ニルヤの島』の大まかなストーリーとしては、舞台は二〇六九年、海上道路網によって島々全体が管理されたミクロネシア。『生体受像』という個人の意識を時系列的な情報として残し、その情報を死後も引き出すことが出来る技術が生まれたことで、死後の世界という概念が失われた世界。その南洋の島々へ、文化人類学者である日本国籍の男性ノヴァクと模倣子行動学者であるスウェーデン人の女性ヨハンナの二人が立ち入り、世界最後の宗教集団と呼ばれる――モデカイトの教徒らが信じる、人が死んだ後に辿り着く島――ニルヤの島――の核心に迫る出来事に遭遇する物語。

 

 テーマとしては、『死後の世界』という「私たち人間はどう生きるべきか、何を目指して生きるべきか」という永遠の問い掛けにも繋がる深いもので、物語が著者独自の『生体受像』や『主観時刻』といった小道具と、人間どうしで未来に向けて共有されていく習慣や物語といった社会的・文化的な情報であるミーム(模倣子)という概念をベースに展開されるのがユニークだと思いました。

 視点としては、ノヴァクとヨハンナ、人間の行動の進化の模擬実験を何十年も『アコーマン』という盤上ゲームでコンピュータと対戦を続けることで行っている老人のハイドリ、ミクロネシアという国の平和を維持するためにコバルトを掘る採掘船の修理をしている潜水技師のタヤと彼を慕う黒髪の少女である二イルの4つで描かれています。二人の主人公――文化人類学者であるノヴァクと模倣子行動学者であるヨハンナは、それぞれノヴァクは自身の価値観に対する葛藤を、ヨハンナは過去の出来事に対するトラウマを抱えていますが、それらと真摯に向き合う姿に読者自身も心を動かされます。

 また、ミクロネシアの街並みや建物の中といった風景描写はそれが鮮明に想い浮かべられ、心情描写は少しクセのある登場人物たちの個性が浮き彫りになるように表現されていました。4つの視点毎に、一人称や三人称、言葉遣いを使い分けている所も芸が細かいなと思いました。  

 ストーリー展開としては、ラストは多少強引な所もありましたが、最初は時間も場所だけでなくその感じ方・考え方も異なる登場人物たちの点だった物語が、次第に結びつき、『生と死』についての哲学的思考を読者にもたらす力強い線になっていく様には思わず唸りました。

 

 以上のことを踏まえて、受賞するような非常に優れた作品に必要な要素として、以下の4つが挙げられると思いました。

1.人類や人間に関わる壮大だったり奥の深いテーマをユニークな手法・視点で描いていること(舞台設定)

2.登場する主人公が何かしら夢を持っていたりトラウマを抱えていたりして、それに近づいたり、それを乗り越えようとする魅力的な人物であること(キャラ設定)

3.文章自体が美しく簡潔で読み易いこと(表現力)

4.物語の進み方に緩急があり、壮大な背景が徐々に明らかになる、謎が少しづつ解き明かされるすっきり感がある、ラストのどんでん返しがある、など展開に意外性があること(ストーリー展開)

 

 実は、この舞台設定、キャラ設定、表現力、ストーリー展開の4点は、僕が独自に思い付いたわけではなく、ネットで様々な方が解説している「面白い小説を書くためのノウハウ」的なお話しも参考にさせてもらっています(もちろんこの4点以外にも様々な要素があるかとは思います)。また、僕自身、小説だけでなくテレビドラマや映画好きの父と「面白い小説って何だろう?」と話をすることがよくあり、その話からも着想を得ています。今回の記事を書くに当たって重要だと感じたこの4つの視点を今後の自身の作品にも反映できたらと思っています。

 

 この「ニルヤの島」は、夭逝のSF作家である伊藤計劃氏の「ハーモニー」の、近未来的で透明感のある世界観が印象的で、その雰囲気と本作が似ている(著者ご本人も影響を受けたとのこと)というレビューを目にして、購入を決めました。

少々難解なストーリー展開ではありますが、文章自体は読み易いく、SF好きな方にはもちろん、そうでない方も宗教や死生観について考えたことのある方は、一読の価値があると思います。ちなみに私はAmazonの文庫にて購入しました↓

https://www.amazon.co.jp/ニルヤの島-ハヤカワ文庫JA-柴田勝家/dp/4150312427

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 以上、少し長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。

現在の執筆活動

 初めての出版の余韻に浸るのも束の間、その一週間後には新たな構想が芽生え、再びパソコンと向き合い始めました。
 かれこれ5年前に書き上げた処女作『フィンブルの冬』を、大幅にその舞台設定を変更し、新たな展開や細かなストーリーを追加することで、より面白く、より深みのある作品に生まれ変えようとしているところです。この処女作は今読み返すと未熟だったので、賞への応募や出版社への持ち込みできるレベルの作品にしたいと思っています。


 リメイクする前と後どちらの作品も「自然と共に生きる人間」というテーマは同じです。まだ序盤の部分を書いていますが、はらはらわくわくする冒険小説になりそうな予感がします。   
 以下、ネタバレしない程度に物語を紹介します↓

 

■序盤のあらすじ
 大学生の和輝と瑠璃香は、夏休みに日本からニュージーランドへ小型飛行機で向かっている途中、乱気流に巻き込まれた。不時着した場所は、南太平洋とは思えない、薄く雪の積もった突き刺すような寒さの荒寥とした山の中だった。近くの湖の畔に見つけた民家の老人に話を聞く中で、二人は自分たちがとんでもない状況に陥っていることを理解する。
 一方、老人も窮地に立っていた。老人の住む村は、三十年前に近くの大火山が噴火して以来ずっと、その時生じた火山灰が空を覆ったことにより、太陽の光がほとんど差し込まない極寒の場所と成り果てていたのだ。暖を取る燃料や食糧となる木材や家畜が尽きていく中、村は絶滅の危機に瀕していた。わずかな希望の光は、二百年前にある錬金術師がこの村のどこかにある渓谷で見つけた幻の石――『オレイカルコス』だけだった。それを利用すれば、寒さを凌ぐ生活場所を創り出せるかもしれないというのだ。
 不時着により故障した飛行機と周囲から隔絶された村、さらに老人に突き付けられた信じがたい事実といったように、和輝と瑠璃香は極めて困難な状況に立たされてしまった。そんな状況の中で、老人に事情を聞く内に、村の人々の力になりたいと思い始める。
 二人は大自然の中で生きる厳しさと安らぎに向き合うことになる。


 いつ完成するか、どういった形で皆さんにお見せできるかはまだ分かりませんが、序盤以降のあらすじや、作成の経過も含めてこのブログで随時更新しますので、楽しみにして頂けたらと思っています。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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↑次回作『フィンブルの冬』の世界をイメージさせるカナダの名所レイク・ルイーズの写真です。